辛さゼロのベースルウが生んだ「家族で囲む」という発想
カレーとライス 与平のルウには、辛みのスパイスが入っていない。ここが出発点になっている。小さな子どもも辛いものが苦手な人も、同じカレーをそのまま食べられるため、取り分けや別メニューの手間が要らない。家族全員が一つの鍋から同じ味を共有できる設計は、日常の食卓にそのまま溶け込む。
辛さが欲しい人向けには、独自に調合した辛味スパイスが別添えで用意されている。各自で好みの辛さまで足せるので、甘口派と辛口派がテーブルで衝突しない仕組みになっている。「子どもと一緒に同じカレーを食べられるのが嬉しい」という声が目立つのも納得で、個人的にはこの”引き算の設計思想”がいちばん印象的だった。
下仁田ポーク・上州牛を軸にした群馬産へのこだわり
ポークカレーには下仁田ポーク、ビーフカレーには上州牛。メインの肉に群馬のブランド食材を据えている。玉ねぎ・トマト・人参といった野菜も高崎市周辺の群馬産を優先的に仕入れ、長時間煮込んでルウに溶かし込む製法を採っている。野菜由来の甘みがじわりと立ち上がるまろやかな仕上がりは、この煮込みの時間が支えている。
味付けは塩のみ、無添加・無化調。調味料でごまかす余地がない分、素材の状態がそのまま味に出る厳しい製法でもある。化学調味料を避けたい家庭や、小さな子どもに食べさせる食事として選ばれやすいのは、この配合を知れば理解できる。シンプルな構成だからこそ、ブランド肉の脂や野菜の甘みが際立つ一皿に仕上がっている。
自宅敷地に構えた手作りの小さなテイクアウト店
高崎市の住宅街、下豊岡バス停から徒歩約2分の場所にカレーとライス 与平はある。自宅の敷地内に設けた店舗で、内装も手づくり。スパイスの調合から仕込み、煮込みまで全工程を一人で手がけている。営業時間は11時から19時で、ランチにも夕食にも使える時間帯をカバーしている。
店頭での注文に加えてUber Eatsのデリバリーにも対応しており、現金・クレジットカード・QRコード決済と支払い手段の幅が広い。予約なしでふらっと立ち寄れるテイクアウト専門の形態は、買い物帰りや仕事終わりの動線に乗りやすいと感じる利用者も多い。
チーズやロール豚カツで毎回変わる一皿の表情
トッピングの選択肢がカレーとライス 与平の楽しみ方を広げている。チーズ、ロール豚カツ、煮込み野菜など複数のトッピングが用意されていて、ライスをひじきご飯に切り替えることもできる。組み合わせ次第で毎回違う構成になるため、週に何度頼んでも飽きにくい。定番のポークカレーにチーズを載せるだけで、かなり印象が変わる。
ある常連は「月に3回は頼むけど、トッピングを変えるから毎回新鮮」と話していたという。テイクアウト専門店でこれだけカスタマイズの幅があるのは珍しく、一皿の満足度を自分で調整できる自由さが繰り返し利用につながっている。高崎市の日常のなかで「今日はどの組み合わせにしよう」と迷う時間ごと、このカレーの一部になっている。


