添加物を断った理由は、代表自身の体の記憶にある
代表・佐藤文紀氏が食品添加物による体調不良を経験したことが、無添加堂 つくし野の製造方針の核心にある。その経験を経て全製品を無添加にするという決断が下され、保存料・甘味料を含む添加物は一切使わないという姿勢が店全体に貫かれた。減農薬米、北海道産甜菜糖、国産小豆——素材選びに妥協がないのは、同じ志を持つ生産者との関係があるからだ。
「子どもに食べさせても安心できる」という声が利用者から届いている一方、「日持ちが短いのは覚悟の上で買いに来る」という常連の声もある。無添加であれば当然の帰結として商品によってはその日限りの消費期限となるが、それを正直に伝える姿勢がこの店への信頼の土台になっている。くるみを除くすべての原材料が国産というシンプルな事実が、購入の決め手になっているようだ。
蒸かし米と臼と杵——時間のかかる工程を選ぶ理由
米を蒸かし、臼と杵で仕込む製法を守り続けるのは、米から直接作ることでしか生まれない食感と香りがあるからだ。噛むほどに広がる米の香り、機械では出せないコシ、すっきりした甘み——この三つが揃うのは昔ながらの工程あってこそだ。ゆべしは米粉と醤油をじっくり練り上げ、しっとりした食感と米の旨みが引き立つ仕上がりになっている。
団子は1本300円(税込)で提供されており、大福・栗餅など季節の素材を取り入れた品々も手作りで加わる。職人が一つひとつ仕上げるため生産量には限りがあり、来店時に人気商品が完売していることも珍しくないという。「早めに来店するか電話で確認するのが賢明」という声が利用者の間で共有されている。
1736年の米穀商から続く、十二代にわたる転換と継続
江戸元文元年(1736年)、初代・佐藤市助が米穀商として歩み始めた。明治・昭和を通じて地域の食を支え続けた末、十二代目の代で「米の命を別のかたちで未来へつなぐ」という選択をした。餅・団子の製造へ転じたのは廃業でも完全な業態転換でもなく、米と向き合い続けてきた家業の延長線上にある決断だった。この歴史の重みが、素材選びと製法の妥協しなさを下支えしている。
290年近い系譜の中で培われた技術と姿勢は、現在の無添加和菓子づくりに一本の線として受け継がれている。「米と生きることを大切にしてきた」という言葉は、ブランドコピーではなく家業の歴史そのものだ。
泉区の店舗から全国へ、急速冷凍で届ける米の味
宮城県仙台市泉区小角字杉下11-3の店舗は年中無休で10:00〜18:00の営業だ。東北自動車道・泉PAスマートICから車で10分、泉中央駅から住吉台方面行きバスで小角バス停下車後すぐという二つのルートでアクセスできる。駐車場の完備のほか、大崎市岩出山「あ・ら・伊達な道の駅」・太白区茂庭「元気くん市場 仙台南店」「JA新みやぎ ファーマーズマーケット」でも委託販売が行われている。
オンラインショップでは急速冷凍技術を用いた全国発送を行っており、解凍後もつきたての食感を楽しめると遠方の利用者から好評だ。米本来のコシと甘みを閉じ込めた状態で届けられるこの仕組みにより、宮城県外からの購入者が繰り返し注文するケースも生まれている。贈答品・手土産としての需要も安定しており、素材の明確さと無添加という安心感がその背景にある。


